恥骨から大腿骨上部に付着する恥骨筋は股関節の屈曲、内転、内旋に働く筋肉です。
大腿に走行する筋肉は股関節と膝関節にまたがる二関節筋がほとんどですが、恥骨筋は股関節の動きにのみ関与します。
恥骨筋は骨盤(恥骨)に付着するので、骨盤の歪みにも関係する筋肉です。
恥骨筋の解説
太もも内側の筋肉、恥骨から大腿骨の上部に付着する恥骨筋は短い筋肉ですが、股関節の動きに強く働きます。
恥骨筋が収縮すると骨盤は前傾しますが、腹筋が骨盤を後傾させて、恥骨筋による前傾を抑制しています。
恥骨筋の起始部
恥骨筋は恥骨稜の上、恥骨前面約2,5㎝にわたり起始部を持ちます。
恥骨筋の停止部
大腿骨の小転子から粗線まで伸びる線状
恥骨筋の働き
股関節の屈曲、内転、内旋
恥骨筋の起始部
恥骨筋の起始部は恥骨の前面です。
恥骨、坐骨、腸骨はもともとは別の骨ですが、大人になると融合して一つの寛骨となります。
左右の寛骨と仙骨の構造が骨盤ですが、恥骨は恥骨筋など股関節を動かす筋肉と腹筋などの体幹(腰椎)を動かす筋肉が付着するため、これらの筋肉の筋力不足や柔軟性不足が骨盤の歪みを招きやすい部位でもあります。
恥骨筋の停止部
恥骨の停止部は大腿骨の上部内側です。
大腿骨は長骨に分類され、人体で一番長い骨で、近位では寛骨と股関節、遠位では脛骨と膝関節を構成しています。
大腿内側部には恥骨筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋のような股関節を内転させる筋肉が走行しています。
恥骨筋の神経支配
大腿神経(L2・3・4)
恥骨筋の触診
恥骨筋は大腿骨と恥骨の間で触れられますが、隣り合う長内転筋との区別は困難です。
恥骨筋の働き
恥骨筋は股関節の動きにのみ関与し、股関節を屈曲、内転、内旋させる筋肉です。
股関節の屈曲
恥骨筋の股関節の屈曲とは大腿骨が骨盤に向かってまっすぐに前方に向かう動きで、恥骨筋のように体の前方にある筋肉が関与します。
股関節の屈曲は一般的に約130°まで可能です。
股関節の内転
恥骨筋の股関節の内転とは外転位にある大腿骨が正中線へ向かう動きで、恥骨筋のような体の内側に位置する筋肉が主に股関節の内転に関与します。
股関節の内転は通常約30°まで可能で、股関節後方の三角状の坐骨大腿靭帯が内転を制限します。
股関節の内旋
恥骨筋の股関節の内旋とは、大腿骨がその長軸を回転の軸として内側に向かう動きで、内旋の可動域は一般的には0~45°です。
機能強化
恥骨筋は他の内転筋群と同じエクササイズで筋力強化、ストレッチングすることができます。
筋力強化
恥骨筋は腸腰筋と同じように股関節の屈曲(足の上げ下ろし)のエクササイズで鍛えられますが、これに股関節の内転を加えればより集中的に鍛えることができます。
ストレッチング
恥骨筋はその働きの逆、股関節を伸展及び外旋した状態で限界まで外転させることでストレッチングが可能な筋肉です。
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