MENU

大胸筋(だいきょうきん)

大胸筋

胸部の最表層の筋肉である大胸筋は、鎖骨と肋骨(肋軟骨と胸骨部分)から上腕骨に付着して、肩関節を動かす筋肉です。

大胸筋の起始部は上部(鎖骨頭)と下部(胸骨頭)に分けられ、大胸筋の収縮する部位により肩関節に作用する内容も違います。

目次

大胸筋の解説

大胸筋

大胸筋の走行と働き

大胸筋小胸筋を覆うように胸部の広範囲を走行しています。

大胸筋の起始部は2つに分けられ、上部(鎖骨頭)は鎖骨の内側前方1/2、下部(胸骨頭)は第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分に起始部を持ち、上腕骨の大結節稜に5~7㎝の幅で平たい腱で停止します。

大胸筋は肩関節を屈曲と内旋させることによって前鋸筋が肩甲骨を前方に引き出す(外転させる)ことを補助します。

投球時などの肩関節が屈曲、内旋するような動きで大胸筋はよく使われ、腕立て伏せや懸垂などでも三角筋の前部とともに大胸筋はよく使われます。

また、ベンチ・プレスなどの運動、肩関節を水平屈曲させてバーを上げるときにも大胸筋がよく使われので、ベンチ・プレスは集中的に大胸筋を鍛える効果的なトレーニングと言えます。

起始部:

  • 上部(鎖骨頭):鎖骨の内側前方1/2
  • 下部(胸骨頭):第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分

停止部:
上腕骨の大結節稜に5~7㎝の幅で平たい腱で停止

機能:

  • 上部(鎖骨部):肩関節の内旋、屈曲、水平屈曲、外転(90°以上の外転で大胸筋上部はさらなる外転を補助)、内転(30°以内の外転において)
  • 上部(胸肋部):肩関節の内旋、水平屈曲、伸展、内転


大胸筋の起始部

大胸筋の起始部

大胸筋の起始部

大胸筋の起始部は鎖骨部と胸肋部に分けられます。

大胸筋の鎖骨部は鎖骨の内側前方1/2に付着し、胸肋部は第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分に付着します。


大胸筋の停止部

大胸筋の停止部

大胸筋の停止部

大胸筋の停止部は、上腕骨の大結節稜です。

大胸筋が収縮することにより上腕骨がひっっぱられ肩関節が動きます。

肩関節は非常に高い可動域を持っていますが、それゆえに不安定な関節でローテーター・カフ(棘下筋・棘上筋・肩甲下筋、小円筋)が上腕骨骨頭を肩甲窩に近づけて動的安定性を保っています。

大胸筋や広背筋などは肩関節の外在性の筋肉、ローテータ・カフの筋群と烏口腕筋三角筋大円筋などは肩関節の内在性の筋肉とも分類されます。

神経支配

  • 大胸筋上部:外側胸神経(C5・6・7)
  • 大胸筋下部:内側胸神経(C8、T1)


大胸筋の触診

大胸筋は左右の胸部の最表層にある筋肉で、鎖骨から第6肋骨の広範囲で触診が可能です。

大胸筋の働き

大胸筋の働き

大胸筋の働き、肩関節の動き

大胸筋が動かす肩関節は多方向に動ける非常に大きな可動域を持った関節です。

上肢の動きは肩関節と肩甲骨が同時に動くことにより可能になりますが、混乱を避けるために大胸筋のように肩関節を動かす筋肉と肩甲骨を動かす筋肉は別々のものと理解しておくといいでしょう。

大胸筋は上部と下部で働きも違います。

大胸筋上部の働き

大胸筋の上部は、肩関節の内旋屈曲水平屈曲に作用し、肩関節が90°以上の外転するとき大胸筋上部はさらなる外転を補助します。

また、大胸筋の上部は肩関節が90°以下の外転においての肩関節の内転に作用します。

大胸筋下部の働き

大胸筋下部は、肩関節の内旋水平屈曲伸展内転に作用します。

機能強化

大胸筋は三角筋の前部と一緒に働くので、大胸筋の機能強化は三角筋の前部の機能強化にもなります。

トレーニングは使う場所を意識して行うと同じ動作でも優先的にその筋肉が使われるので、大胸筋の走行や起始部や停止部を意識しながらのトレーニングが望ましいです。

筋力強化

大胸筋は腕立て伏せや懸垂、投球時やテニスのサーブ時にもよく使われます。

特に背臥位で肩関節を水平屈曲させて腕を伸ばす時、ベンチ・プレスのエクササイズで大胸筋は集中的に鍛えることができます。

ストレッチング

上腕を体の前に内転させ、肩関節を外旋させることで大胸筋全体をストレッチングできます。

肩関節を完全に外転位にすると大胸筋の下部がストレッチングでき、完全に伸展位にすることで大胸筋の上部がストレッチングできます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次