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大菱形筋(だいりょうけいきん)

大菱形筋

大菱形筋小菱形筋の下方にあり、僧帽筋に覆われている筋肉です。

大菱形筋は頸椎下部~胸椎上部から肩甲骨の内側縁に付着し、小菱形とともに働いて肩甲骨を動かす筋肉です。

目次

大菱形筋の解説

大菱形筋

大菱形筋の走行と働き

大菱形筋は文字通り菱形の筋肉で小菱形筋の下にあります。

大菱形筋は僧帽筋に覆われていて触診はできない筋肉で、第1~第4(5)胸椎の棘突起・棘間靭帯から肩甲骨内側縁に付着する筋肉です。

大菱形筋は肩甲骨(肩甲帯)を内転、下方回旋、挙上に働きますが、肩関節が外転するとき(腕が外側に向かって動くとき)肩甲骨を内転位に保つ役割も持ちます。

大菱形筋は懸垂のような運動で特に力を発しますが、鉄棒にぶら下がっている状態では肩甲骨は上方回旋していますが、懸垂をするときは肩甲骨は大菱形筋により下方回旋されつつ、脊柱に向かって引っ張られます(肩甲骨の内転)。

また大菱形筋と僧帽筋が同時に働くと、肩甲骨はわずかに挙上しながら内転をしますが、このわずかな挙上を防ぐのは広背筋の働きによるものです。

大菱形筋が動かす肩甲骨(肩甲帯)は一つの筋肉が多方向の肩甲骨の動きに関与するため、大菱形筋のような肩甲骨を動かす筋肉を理解するには肩甲帯の構造と動きを理解する必要があります。

大菱形筋の起始部
第1~第4(5)胸椎の棘突起、棘間靭帯

大菱形筋の停止部
肩甲骨内側縁下部2/3

大菱形筋の働き
大菱形筋と小菱形筋はともに働きます。

  • 肩甲骨の挙上:肩甲骨の内転を伴うわずかな上方への動き
  • 肩甲骨の内転:脊柱に向かい、わずかに上に引っ張られながら内側へ向かう動き
  • 肩甲骨の下方回旋:肩甲骨を上方回旋から下方回旋させる動き

大菱形筋の働き

肩甲骨の動き



起始部

大菱形筋の起始部

大菱形筋の起始部

大菱形筋の起始部は第1~第4(5)胸椎の棘突起、棘間靭帯です。

脊柱は一つ一つの椎骨が椎間板を挟み積み重なっていますが、椎骨の横突起と棘突起には大菱形筋のような肩甲骨を動かす筋肉や脊柱を動かす筋肉が数多く付着しています。

停止部

大菱形筋の停止部

大菱形筋の停止部

大菱形筋の停止部は肩甲骨内側縁下部2/3です。

肩甲骨には各部位に名称がついていて、肩甲骨の動き、大菱形筋のように肩甲骨を動かす筋肉を理解するには肩甲骨の上角や下角、内側縁、肩甲棘や肩峰などの骨格の目安を理解しておくと役立ちます。

神経支配

肩甲背神経(C4・5)

大菱形筋の触診

大菱形筋は僧帽筋の下にあり触れることはできません。

大菱形筋の働き

大菱形筋のように肩甲帯にある筋肉は肩甲骨を動かす筋肉です。

大菱形筋は肩甲骨の挙上と内転、下方回旋に関与する筋肉で、肩甲骨の安定を維持する(位置を保つ)役割も持ちます。

肩甲骨の挙上

大菱形筋の働き

大菱形筋の働き、肩甲骨の挙上

大菱形筋の肩甲骨の挙上とは肩をすくめるように肩甲骨を上方に引っ張り上げる動きです。

肩甲骨の挙上には大菱形筋小菱形筋僧帽筋肩甲挙筋などが関与します。

肩甲骨の内転

大菱形筋の肩甲骨の内転

大菱形筋の肩甲骨の内転

大菱形筋の肩甲骨の内転とは肩甲骨が脊柱の方向に近づく動きです。

主に大菱形筋小菱形筋僧帽筋肩甲挙筋が肩甲骨を内転させる筋肉です。

肩甲骨の下方回旋

大菱形筋と肩甲骨の下方回旋

大菱形筋の肩甲骨の下方回旋の働き

大菱形筋の肩甲骨の下方回旋とは肩甲骨が下方と内側に動くことです。

肩甲骨を引き下げるだけの動きは肩甲骨の下制で、下方回旋では更に肩甲骨が内側に向かいます。

肩甲骨の下方回旋には大菱形筋小菱形筋、小胸筋などの筋肉が関与します。

機能強化

大菱形筋の走行する肩甲骨と背骨の間はこりやすく、違和感やコリなどが生じやすいところで、この辺りがコルということは大菱形筋や小菱形筋の緊張が抜けないということです。

東洋医学でも肩甲骨と背骨の間は邪気が入りやすい(邪気とは気の滞りと思ってください)部位で邪気が抜けにくい部位とされ、これは緊張しやすく緊張が抜けにくいとも理解できます。

大菱形筋のような筋肉は上肢の力を使う運動選手なら積極的な筋力強化も望ましいですが、一般的な方はストレッチングのような柔軟性を向上させるトレーニングが望ましい筋肉です。

筋力強化

大菱形筋は懸垂やディッピング運動で効果的に鍛えることができる筋肉です。

ストレッチング

大菱形筋は肩甲骨の下制を維持したまま、他動的に肩甲骨を外転させることでストレッチングが可能で、肩甲骨を上方回旋させてもストレッチングすることができます。

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