筋肉、骨格の機能解剖とストレッチやセルフマッサージのコツ

筋肉・骨格ガイド

腹筋の中央表層

体幹と脊柱の筋肉と骨格

腹直筋(ふくちょくきん)

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腹筋群の中央、お腹の中央の表層の腹筋が腹直筋です。

腹直筋は体幹(腰椎)の屈曲と側屈に力強く働きますが、骨盤の傾きをコントロール(腹直筋によって恥骨が上方に引き上げられて骨盤が後傾する)し、このことにより結果として腰部がまっすぐになり、脊柱起立筋や股関節の屈筋群(特に腸腰筋)などがそれぞれ効果的に脊柱を伸展させたり、股関節を屈曲させることができるようになります。

簡単にいえば、腹直筋が体幹や骨盤を安定させているからこそ、他の筋肉が定まった方向性をもって働けるといえるので、腹直筋は体幹の動き(腰の動き)だけでなく、体幹の安定を保つためにも重要な筋肉です。

4つの腹筋群


腹直筋の機能解剖

腹直筋

腹直筋の走行と働き

腹直筋は恥骨から第5、第6、第7肋骨と胸骨(剣状突起)に付着する体幹前面の筋肉です。

腹直筋が発達している人では腹直筋を横断する3組、またはそれ以上の明確なくぼみや線が見られます。

それらは骨の付着部の代わりに腹筋を支持する腱様の結合組織で壁画(へきが)と呼ばれ、剣状突起から恥骨に垂直に走行しているのは白線(はくせん)と呼ばれ、白線は腹直筋を左右それぞれに分ける内側縁となっています。

俗にいう腹筋が割れているとは、トレーニングにより壁画や白線が明確になり、くぼみや線が明瞭に生じることです。

腹筋のくぼみは6パックとも呼ばれますが、これは腹直筋を横断する壁画と白線によりくぼみが3組(左右で6)に明確に分けられるからなんですね。(多い人は6以上あります)

6パックを目指す人は腹直筋を鍛えればいいということですね。腹直筋の横、腰のくびれ部分は内腹斜筋(外腹斜筋の深層)で、この2つの筋肉も鍛えられ締まっていたらかっこいい(笑)部分です。

腹直筋の起始部
恥骨稜

腹直筋の停止部
第5、第6、第7肋骨の肋軟骨前面と剣状突起

腹直筋の働き

  • 両側:腰椎の屈曲
  • 右側:腰椎の右側屈
  • 左側:腰椎の左側屈
腹直筋の起始部と停止部:

筋肉の付着部は起始部と停止部に分けられ、一般的に体幹側もしくは動きの多い側の付着部を停止部としていますが、腹直筋のような腹筋群は体幹から体幹に付着する筋肉なので解剖学の本によっては起始部と停止部が逆に書いてあるものもあります。

ここでは腹直筋による動きの多い骨格側を停止部としています。


腹直筋の起始部

腹直筋の起始

腹直筋の起始部、恥骨

腹直筋の起始部は恥骨の恥骨稜という部位です。

恥骨・坐骨・腸骨はもともとは別の骨ですが、大人になり融合して一つの寛骨となります。(左右の寛骨と仙骨の構造を骨盤と呼びます。)

腹直筋を含めた4つの腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)は全て恥骨に付着しています。

その為に腹筋群全体がある程度、鍛えられていると恥骨を引っ張り上げ骨盤が後傾して自然と腰が立った状態になります。

逆に腹筋群に力がないと、恥骨を引っ張る力が弱く骨盤が前傾してしまい、腰が丸くなったような状態になります。

腹直筋を含む腹筋群は自然な美しい姿勢にも関与しますし、腹筋群により姿勢が安定しているからこそ他の筋肉は安定して働くことができます。

その腹筋群の中でも腹直筋は体幹の安定、力強い体幹の動きに重要な筋肉ですから、ぜひとも積極的にトレーニング、ケアしてほしい筋肉です。

腹直筋の停止部

腹直筋の停止部

腹直筋の停止部、肋軟骨

腹直筋の停止部は第5、第6、第7肋骨の肋軟骨前面と剣状突起です。

肋骨は12対あり、後面では12の胸椎の横突起と接し、肋骨の軟骨部分は肋軟骨と呼ばれます。

前面では肋骨は胸骨に接しますが、上の7対だけが個別に胸骨に接し、次の3対は一緒になり胸骨に接し、下方の2対はどこにも接していないため浮遊肋骨とも呼ばれます。

腹直筋の停止部

腹直筋の停止部、剣状突起

胸骨は上から胸骨柄・胸骨体・剣状突起に分けられますが、胸骨の下の尖った部分が腹直筋が停止する胸骨の剣状突起(けんじょうとっき)です。

腹直筋は左右にある筋肉ですが、左右の起始部と停止部が近くにある(体の正中によっている)、左右の筋肉が正中で結合している数少ない筋肉です。


神経支配

肋間神経(T7~12)

腹直筋の触診

腹直筋はお中の最表層にある筋肉で腹部の広範囲で触診が可能です。

腹直筋の働き

腹直筋は体幹の前方の左右にある筋肉なので、両側の腹直筋が収縮すれば腰は曲がり(腰椎の屈曲)、片側の腹直筋が収縮すれば腰椎は側屈します。

両側

腹直筋の働き

腹直筋の働き、腰椎の屈曲

腹直筋の働き、腰椎の屈曲とは腰を曲げる動きで、腰椎の屈曲は胸部が大腿に近づいていく動きとも表せます。

腰椎の屈曲の可動域は一般的には80°で、脊柱の動きは主に腰椎と頸椎で起こり、胸椎でも動きは生じますが腰の動き(腰椎の動き)や首の動き(頸椎の動き)に比べれば非常に小さなものです。

腹直筋をメインに他の腹筋群(外腹斜筋と内腹斜筋)が腰椎の屈曲に働き、この反対の動き(腰椎の伸展)に働く筋肉は脊柱起立筋なので、体幹の力強い動きにはこの2つの筋肉の強さやバランスが重要です。

右側・左側

片側の腹直筋が収縮すれば腰椎は側屈します。

体幹が左に傾くのを左側屈といい、一般的に腰椎の側屈は左右に35°ずつの可動域を持っています。

腹直筋や外腹斜筋、内腹斜筋、脊柱起立筋、腰方形筋などの筋肉が主に腰椎の側屈に関与します。

機能強化

腹直筋は体幹の力強さや自然な姿勢にも関わるので筋力強化、ストレッチングとも積極的に行ってほしい筋肉です。

筋力強化

俗にいう腹筋運動、上体起こしをして腰が痛くなるような人は、腰が痛くならないような軽度の腹筋運動から徐々に負荷をかけるトレーニングにするか、ストレッチングなどで十分に腹筋と腰部の柔軟性を養ってからのトレーニングが望ましいです。

腹筋運動の基本としては、反動はつけずにゆっくり上体を起こし、ゆっくりと最後まで力を抜かずに戻る動作が大事です。

また、腰椎の完全屈曲(一般的には80°)を超えた動きは腹直筋を含む腹筋群だけでなく股関節を屈曲する筋群をトレーニングしてしまいますので、集中的に腹筋だけに負荷がかかるような姿勢で行うのがいいでしょう。

ある程度、腹筋が発達して腰が痛くならないような状態であれば、仰向けに寝て頭の後ろで手を組み膝を曲げてからの上体起こしが腹直筋を鍛えるのに効果的です。

この時に、まっすぐに上体を起こしていけば腹直筋が、左右にねじりながら(肘を反対側の膝にタッチさせる)行えば外腹斜筋と内腹斜筋が鍛えることができます。

上体起こしをまっすぐを一回、左に一回、右に一回を一セットとして行えば、腹直筋だけでなく腹筋群全体を効果的に鍛えることができます。

また腹直筋だけを集中的に鍛えるには腹筋ローラーなども有効です。

ストレッチング

腹直筋は体幹(胸椎と腰椎)を同時に限界まで伸展させることで伸ばすことができます。

これに股関節の伸展を加えると更に骨盤の前傾が強調されるので、腹直筋はよりストレッチングが可能です。

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