腹筋群のひとつ、腹横筋は体幹の動きに関与する筋肉ではなく、呼吸(呼気)に作用する筋肉で腹壁を内側に押し込むことでの呼気に働きます。
4つの腹筋群
腹横筋
腹横筋は肋骨の内側から骨盤に付着する筋肉で、激しい呼気(咳や激しい運動時など)に関与します。
また、腹横筋は他の腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋)とともに腹壁を押し込めておく(お腹が出ないように引っ込めておく)役割ももちます。
腹横筋の起始部
鼠経靭帯の外側1/3、腸骨稜の内縁、下方6本の肋骨の肋軟骨内表面、腰筋膜
腹横筋の停止部
恥骨稜と腸恥骨線、腹直筋の腱膜から白線
腹横筋の働き
呼気(腹壁を内側へ押し込むことでの呼気)
腹横筋の起始部
腹横筋は関節の動きに働く筋肉ではなく呼吸に関与する筋肉なので、起始部と停止部が広範囲に存在しています。
腹横筋が起始部を持つ肋骨は12対24本あり、左右の腹直筋で下部の6対12本の肋骨の内側に付着しています。
(下部の2対4本の骨は他の肋骨と接しておらず浮遊肋骨とも呼ばれます。)
腹横筋が起始部を持つ鼠経靭帯とは下腹部と下肢の境目の靭帯で、鼠経靭帯の下を腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)や血管などが走行しています。
腹横筋を含む腹筋群は鼠経靭帯に付着しているため、腹筋群の緊張などがが鼠径部の症状(しこりや違和感など)などを招くこともあります。
腹横筋の停止部
腹横筋は恥骨、腹直筋の白線に停止しますが、恥骨に付着する腹横筋などの腹筋群の弱さや緊張が骨盤の歪みを招いたりもします。
神経支配
肋間神経(T7~12)、腸骨下腹神経(T12~L1)、腸骨鼠経神経(L1)
腹横筋の触診
腹横筋は腹直筋に覆われているために触診はできません。
腹横筋の働き
腹横筋は腹壁を内側に押し込めることでの呼気、激しい運動時や咳などのときの呼気に主に働き、腹筋群としてお腹が出ないように引っ込めておく役割も持ちます。
機能強化
腹横筋は身体の動き、関節の動きには働かないので動きに負荷を与えるようなトレーニングはそぐいませんが、腹横筋の機能強化には呼吸を使ったエクササイズが有効です。
筋力強化
腹横筋は立位か仰向けで腹筋をアイソメトリック(静的収縮・動かずに力を入れる動作)に壁か床に腰を押し付けるようなエクササイズで鍛えることができます。
ストレッチング
腹横筋は限界まで息を吸い胸を膨らませた状態を維持することでストレッチングが可能です。
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