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筋肉・骨格ガイド

腹筋

体幹と脊柱の筋肉と骨格

腹筋(ふっきん)とは?覚えてほしい腹筋は4つある。

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腹筋とは字の通りお腹の筋肉のことですが、腹筋とは俗称であり一般的には4つのお腹の筋肉を総称して腹筋と呼びます。

4つの腹筋群


腹筋とは?

俗にいう腹筋とは4つの腹筋群のことで、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋です。

腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋は体幹の動き(腰椎の動き)、腰椎の屈曲、回旋と側屈に力強く働き、腹横筋は動きには関与しませんが呼吸(呼気)に働く腹筋です。

これらの腹筋は肋骨から骨盤に付着するので、腹筋が発達していれば恥骨を引っ張り上げて骨盤が後傾し、結果として腰部が自然に真っすぐになります。

腹筋の働きによりこの状態になることで、脊柱起立筋や股関節の屈筋群(特に腸腰筋大腰筋)などがより効果的に方向性を持った働きができます。

簡単にいえば腹筋群が体幹を安定させているので、他の筋肉が明確な方向性をもって働けるということなので、腹筋は積極な筋力強化や柔軟性向上のトレーニングが望ましい筋群です。

腹筋の働き

4つの腹筋群のうち、腹横筋は呼吸だけに働く筋肉ですが、外腹斜筋と内腹斜筋も呼吸を補助する役割を持ちます。

3つの腹筋(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋)は体幹(腰椎)を力強く動かす筋肉で、腰椎の屈曲、回旋と側屈に働く筋肉です。

体幹を動かす腹筋

腹筋の働き

腹筋の働き

脊柱の動きは主に腰椎と頸椎で起こり、それに比べて胸椎ではほとんど動きは起こりません。

4つの腹筋は全て肋骨から骨盤に付着しますが、腹筋が収縮することにより体幹(腰部)は屈曲、回旋、側屈をします。

腰椎の屈曲

腹筋の働き

腹筋の働き、腰椎の屈曲

腹筋の腰椎の屈曲とは腰を曲げる動きで、主にお腹の腹筋群が腰を曲げる筋肉です。

左右の腹筋(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋)が収縮すれば腰椎は屈曲し、片側だけが収縮すれば腰椎は回旋・側屈をします。

腰椎の屈曲の可動域は一般的には80°です。

腰椎の回旋

腹筋の回旋の動き

腹筋の腰椎の回旋の動き

腹筋の腰椎の回旋とは腰を左右に回す、腰をねじる動きで、腰を左に回す動きは腰椎の左回旋、右に回す動きが腰椎の右回旋です。

一般的に腰椎の回旋の可動域は左右に45°ずつです。

腹筋群の内、腰椎の回旋には外腹斜筋と内腹斜筋が関与しますが、この2つの腹筋は回旋においては左右の違う側が働きます。

内腹斜筋は左に腰を回す時には左側が収縮し、反対に外腹斜筋は左に腰を回す時は右側が収縮します。

どちらの筋肉とも腰椎の側屈では側屈する側が収縮しますが、回旋の動きではその働きは逆側の筋肉によるものです。

腰椎の右回旋
左側の外腹斜筋と右側の内腹斜筋

腰椎の左回旋
右側の外腹斜筋と左側の内腹斜筋

腰椎の側屈

腹筋の腰椎の側屈

腹筋の腰椎の側屈の動き

腹筋の腰椎の側屈とは腰を左右に傾ける動きで、腰を左に傾ける動きは腰椎の左側屈、右に傾ける動きが腰椎の右側屈です。

左右の片側の腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋が腰椎の側屈に作用し、これらの腹筋が収縮する側に腰椎は側屈します。

一般的に腰椎の側屈は左右に35°ずつの可動域を持っています。

体幹の安定に欠かせない腹筋

4つの腹筋とも肋骨から骨盤に付着するので、腹筋がある程度発達していると、骨盤の傾きを保持し体幹の安定を保ちます。

腹筋に恥骨が引っ張り上げられていると骨盤は後傾し、自然と腰が立った姿勢になり、脊柱の生理的湾曲を保持します。

腹筋によるこの状態が保たれれば、腸腰筋(大腰筋腸骨筋)などの股関節を屈曲させる筋群や脊柱を動かす筋肉、脊柱起立筋などが効率的に方向性をもって力を発揮できるんですね。

美しい姿勢や安定した体幹の動きには腹筋の強さが必須なのです。

呼吸に働く腹筋

腹横筋は特に呼気に働く腹筋で腰椎の動きには作用しませんが、外腹斜筋と内腹斜筋は腹壁を動かし呼吸を補助する役割も持ちます。

主に呼吸に作用する筋肉は胸郭の筋肉ですが、腹筋も呼吸(特に腹式呼吸や運動時の激しい呼気)に深く関与する筋肉です。

4つの腹筋の機能解剖

位置的に腹筋をみると腹筋の中央の表層が腹直筋、左右の腹筋の表層が外腹斜筋でその深層に内腹斜筋が走行し、その深層に腹横筋が走行しています。

腹筋の起始部と停止部:

筋肉の付着部は起始部と停止部に分けられ、一般的に体幹側もしくは動きの多い側の付着部を停止部としていますが、腹筋のような筋肉は体幹から体幹に付着する筋肉のなので解剖学の本によっては起始部と停止部が逆に書いてあるものもあります。

ここでは腹筋による動きの多い骨格側を停止部としています。


腹筋の中央・腹直筋

腹筋の中央表層

腹筋の中央表層、腹直筋(ふくちょくきん)

腹筋の中央は腹直筋で表層にあるためお腹の中央部分で触診が可能な腹筋です。

腹筋のくぼみは6パックとも呼ばれますが、これは腹直筋を横断する壁画と白線によりくぼみが3組(左右で6)に明確に分けられるからなんですね。(多い人は6以上あります)

起始部
恥骨稜

停止部
第5、第6、第7肋骨の肋軟骨前面と剣状突起

働き

  • 両側:腰椎の屈曲
  • 右側:腰椎の右側屈
  • 左側:腰椎の左側屈


側部の腹筋・外腹斜筋

横の腹筋

側部の腹筋、外腹斜筋

側部の腹筋は外腹斜筋です。

外腹斜筋はお腹の左右にある腹筋で、外腹斜筋の深層(下方)に内腹斜筋があります。

お腹の両側で外腹斜筋は触診でき、腹筋の左右両側を鍛えたい方は外腹斜筋と内腹斜筋のトレーニングが欠かせません。

起始部
第5~第12肋骨の外側面

停止部
腸骨稜の前半分、鼠経靭帯、恥骨稜、下前方では腹直筋鞘

働き

  • 両側:腰椎の屈曲
  • 右側:腰椎の右側屈、左回旋
  • 左側:腰椎の左側屈、右回旋


側部の腹筋の深層・内腹斜筋

内腹斜筋

側部の腹筋の深層、内腹斜筋

側部の腹筋の深部は内腹斜筋で、外腹斜筋の深層にあり、内腹斜筋の筋繊維は外腹斜筋と反対方向に走行しています。

外腹斜筋とは反対に腰部を右に回旋するときには右の内腹斜筋が、左に回旋するときには左の内腹斜筋が収縮して力を出します。

このような体幹(腰部)の動きでは内腹斜筋と反対側の外腹斜筋は常に共同で働き、これに腹直筋の体幹を屈曲させる力が加わります。

起始部
鼠経靭帯の上方1/2、腸骨稜の前面2/3、腰筋膜

停止部
第8、第9、第10肋骨の肋軟骨と白線

働き

  • 両側:腰椎の屈曲
  • 右側:腰椎の右側屈、右回旋
  • 左側:腰椎の左側屈、左回旋

外腹斜筋と内腹斜筋は共同で働く筋肉ですが、回旋の動きにおいては常に反対側の筋肉が共同で働きます。

2つの腹筋の働き

2つの腹筋の働き



深層の腹筋・腹横筋

腹筋の深層

腹筋の深層、腹横筋

左右の腹筋の深層部には腹横筋が走行しています。

腹筋を断面で見ると、腹筋の中央部は腹直筋、左右の表層が外腹斜筋でその下に内腹斜筋、その下に腹横筋が走行しています。

腹横筋は肋骨の内側から骨盤に付着する筋肉で、激しい呼気(咳や激しい運動時など)に関与します。

また、腹横筋は他の腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋)とともに腹壁を押し込めておく(お腹が出ないように引っ込めておく)役割ももちます。

起始部
鼠経靭帯の外側1/3、腸骨稜の内縁、下方6本の肋骨の肋軟骨内表面、腰筋膜

停止部
恥骨稜と腸恥骨線、腹直筋の腱膜から白線

働き
呼気(腹壁を内側へ押し込むことでの呼気)

腹筋の機能強化

ご紹介した腹筋の内、腹横筋は体幹の動きには関与しないので一般的なトレーニングはほとんど必要ありませんが、3つの腹筋(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋9は積極的な筋力強化、柔軟性向上のトレーニングが望ましい筋肉です。

腹筋運動でしてはいけないこと

俗にいう腹筋運動、上体起こしで腰を痛めないようにするには、絶対に反動をつけて行わないことです。

腹筋運動の基本としては、反動はつけずにゆっくり上体を起こし、ゆっくりと最後まで力を抜かずに戻る動作が大事です。

反動をつけずに腹筋だけの力で上体起こしをすれば腰椎を痛めることもありませんし、これに息を止めて行わないことをプラスすれば更に安全に腹筋を鍛えることができます。(もともと腰部に症状を持っている方、慢性的な腰痛の方は専門的なトレーナーの下でのトレーニングをおススメします)

おススメの腹筋運動・一つの腹筋運動で全体的に鍛えられる

腹筋を全体的に鍛えるには、上体起こしを真っすぐ行うのと左右にねじりながら行うことセットにして行えば効果的に鍛えることができます。

また、腰椎の完全屈曲(一般的には80°)を超えた動きは腹筋だけでなく股関節を屈曲する筋群をトレーニングしてしまいますので、集中的に腹筋だけに負荷がかかるような姿勢で行うのがいいでしょう。

ある程度、腹筋が発達して腰が痛くならないような状態であれば、仰向けに寝て頭の後ろで手を組み膝を曲げてからの上体起こしが腹筋を鍛えるのに効果的です。

この時に、まっすぐに上体を起こしていけば腹直筋が、左右にねじりながら(肘を反対側の膝にタッチさせる)行えば外腹斜筋と内腹斜筋が鍛えることができます。

上体起こしをまっすぐを一回、左に一回、右に一回を一セットとして行えば腹筋全体を効果的に鍛えることができます。

腹筋ローラーなどでは捻じりを入れたトレーニングは難しいのですが、腹筋の中央部を鍛えるのには大変有効なトレーニングです。

腹筋のストレッチング

腹筋は体幹(腰椎と胸椎)を同時に限界まで伸展させることでストレッチングすることができます。

これに股関節の伸展を加えると更に骨盤の前傾が強調されるので、腹筋はよりストレッチングが可能です。

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