臀筋の深層にある外閉鎖筋は深層外旋六筋のひとつで、股関節の外旋に作用する筋肉です。
深層外旋六筋
外閉鎖筋
外閉鎖筋は閉鎖孔周辺から大腿骨大転子まで付着する筋肉で、外閉鎖筋が収縮することで股関節の外旋に作用します。
外閉鎖筋の起始部
閉鎖孔の内側骨縁の外面と閉鎖膜
外閉鎖筋の停止部
大腿骨大転子の転子窩
外閉鎖筋の働き
股関節の外旋
外閉鎖筋の起始部
外閉鎖筋の起始部は坐骨と恥骨が作る閉鎖孔周辺と閉鎖膜です。
坐骨と恥骨、腸骨はもともとは軟骨結合している別々の骨で、成長し成人では融合して一つの寛骨になり、その寛骨と仙骨・尾骨を骨盤と呼びます。
その坐骨と恥骨が作る環状の穴が閉鎖孔(へいさこう)です。
ここには閉鎖孔を通る閉鎖神経や閉鎖筋などがあり、外閉鎖筋などの筋肉の緊張などが坐骨神経痛のような神経痛を引き起こすこともあります。
また、閉鎖孔ヘルニアというものはこの閉鎖孔から内臓が飛び出してしまう(ヘルニアとは飛び出すがその意です)症状です。
外閉鎖筋の停止部
外閉鎖筋の停止部は大腿骨大転子の転子窩です。
大腿骨は近位では寛骨と股関節、遠位では脛骨と膝関節を構成する人体で一番長い骨です。
外閉鎖筋の神経支配
閉鎖神経(L3・4)
外閉鎖筋の触診
外閉鎖筋を含む深層外旋六筋は臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋)の深層にあり触診は困難です。
外閉鎖筋の働き、股関節の外旋とは大腿骨がその長軸を回転の軸として外側に向かう動きで、股関節の外旋は一般的に50°まで可能です。
股関節を外旋させる筋肉
外閉鎖筋の機能強化
外閉鎖筋だけを単独で鍛えたり、ストレッチングすることは困難ですが、外閉鎖筋を含む深層外旋六筋は日常でも下半身をよく使うことで使われますので、筋力強化よりも柔軟性向上のトレーニングが望ましい筋肉です。
筋力強化
外閉鎖筋を含む深層外旋六筋は片足を地面につけ、体幹を地面につけた足の反対側に回旋させる動きや、この動きに抵抗をかけた運動で鍛えることができます。
ストレッチング
外閉鎖筋は股関節を外旋させる筋肉ですから、股関節の内旋でストレッチングすることができます。
ストレッチしたい方の足の膝を曲げ両手で膝を抱え込むようにして膝を胸に近づけていくと、臀部の深層の外閉鎖筋などが簡単にストレッチできます。
更に外閉鎖筋をストレッチングしたいならば、仰向けに寝て片足の股関節と膝関節を90度に曲げ、ストレッチする足の反対の手で膝を圧して床に近づけます。
股関節が固いような方は股関節を柔らかくする方法で柔軟性を養いましょう。
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