ふくらはぎの筋肉、下腿後方にあるヒラメ筋は腓腹筋の下にあり、ともにアキレス腱となり踵骨に付着します。
ヒラメ筋は足首を強力に底屈させる筋肉です。腓腹筋も底屈筋で膝が曲がっているとその底屈作用は弱まりますが、ヒラメ筋は膝の上体に関係なく足関節が底屈するときは常に働きます。
体を前方と上方に進める動作、歩行やランニング、ジャンプなどはヒラメ筋と腓腹筋の力にかかっています。
日常でも負担の掛かりやすい筋肉ですから、ヒラメ筋はつりやすい筋肉とも言えます。
またヒラメ筋の下部のアキレス腱は非常に大きな腱ですが、完全断裂という重大な損傷を受けることもあります。
ヒラメ筋の解説
ヒラメ筋は足関節(足首)を底屈させる重要な筋肉の一つで、ヒラメ筋は下腿後面にあり、脛骨と腓骨から踵骨に付着する筋肉です。
ヒラメ筋は腓腹筋と同じく足関節の底屈に作用しますが、腓腹筋は膝関節と足関節をまたぐ二関節筋の為、膝が曲がった状態ではその機能が低下するため、ヒラメ筋の働きは重要になってきます。
ヒラメ筋は足関節が底屈するときは常に働き、足に体重がかかっている限り、膝の動きに関係なく作用します。
ヒラメ筋の起始部
脛骨と腓骨の後面上部1/3
ヒラメ筋の停止部
アキレス腱を経て踵骨後面(踵骨隆起)に停止
ヒラメ筋の起始部
ヒラメ筋は脛骨と腓骨に起始を持ちます。
この2つの骨は靭帯結合の半関節なので最小限の動きしか生じません。
ヒラメ筋の停止部
ヒラメ筋の停止部は踵骨の踵骨隆起です。
ヒラメ筋と腓腹筋はともにアキレス腱となり同じ位置に停止部を持ちます。
踵骨は踵の大きな骨で蝶番関節である距腿関節、俗にいう足関節を構成し、ヒラメ筋が収縮することにより足関節が底屈します。
ヒラメ筋の英語名
Soleus muscle
ヒラメ筋の神経支配
脛骨神経(S1/2)
ヒラメ筋の触診
ヒラメ筋は下腿の外側の腓腹筋の下で触診が可能です。
下腿三頭筋
ヒラメ筋と腓腹筋を合わせて下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼び、足関節の底屈筋として一つにまとめて解説することもあります。
分離している起始部(筋肉の頭)は腓腹筋が2つ、ヒラメ筋が1つあるので下腿三頭筋というんですね。
ヒラメ筋の働き
ヒラメ筋はその起始と停止を見ると足関節だけしかまたいでいませんので、足関節だけに作用する筋肉と推定できます。
(腓腹筋のように2関節をまたぐ筋肉は二関節筋と言い、2つの関節の動きに関与します。)
ヒラメ筋の足首を底屈させる働き
ヒラメ筋の足関節の底屈とはブレーキを踏むように足先を下に下げる動きです。
膝が曲がっていると腓腹筋の底屈作用は力を失ってしまって、足首を底屈させる作用が弱まりますのでヒラメ筋の働きが重要になってきます。
ヒラメ筋に多い障害
日常でもスポーツでもほとんどの動作において下腿への激しい負担がかかるので、ヒラメ筋のような下腿の筋肉は急性的、慢性的を問わず障害が発生しやすい筋肉です。
肉離れや、急性筋痙攣なども生じやすいヒラメ筋ですが、ふくらはぎの奥のヒラメ筋がつるということは誰でも経験したことがあるはずです。
ヒラメ筋がつってしまったときには、自動的にでも他動的にでもヒラメ筋の働きの反対をすればヒラメ筋を伸ばすことができますので、足関節を背屈させることで和らげられます。
またアキレス腱はヒラメ筋を踵骨に付着させている強力な腱ですが、しばしば完全断裂という損傷を受けることもあります。
機能強化
ヒラメ筋は足首を底屈することで鍛えられ、その働きの逆の動きをすればストレッチすることができます。
筋力強化
ヒラメ筋は膝を伸ばして踵を上げる運動(ヒール・レイズ、カーフ・レイズ)で可動域全体にわたって強化することができますが、膝を少し曲げて行うとよりヒラメ筋を集中的に鍛えることができます。
膝を少し曲げて、段差のふちでつま先だけで踵を上げ下げしたり、ダンベルをもって負荷をかければよりヒラメ筋の筋トレになります。
ストレッチング
ヒラメ筋を伸ばすにはその働きの反対、足首の背屈でストレッチすることができます。
壁から一メートルくらい離れて立って、膝を少し曲げて壁に両手をつき上体を倒すとヒラメ筋~アキレス腱を伸ばすことができます。
上記の方法で、膝を完全に伸ばした状態でもヒラメ筋は筋力強化できたり、ストレッチングができますが、膝を若干屈曲させて行うことで腓腹筋が緩み、集中的にヒラメ筋をトレーニングすることが可能になります。
参考リンク:ヒラメ筋のストレッチ
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