肩関節の動きは非常に大きく多方向に動ける関節です。
肩関節は可動性の大きい関節ですがそれゆえに不安定な関節で、脱臼や亜脱臼の起こりやすい関節とも言えます。
また肩関節は肩甲帯(肩甲骨)と一緒になって動くので、肩関節の動きを理解するには肩甲帯の動きも理解する必要がありますが、単に肩関節の動きを上腕骨の動きとして理解するのも混乱を避けるためにいいかもしれません。
肩関節の主な動き
肩関節の動き
肩関節は上腕肩甲関節ともいますが、可動関節の中で特に可動性の高い球関節に分類されます。
肩関節の主な動きには、屈曲と伸展、外転と内転、外旋と内旋、水平屈曲と水平伸展があり、肩甲帯(肩甲骨)の動きと対になって動きます。
肩関節の動きは肩甲帯(肩甲骨)の動きと連動している
肩関節の動きは肩甲帯(肩甲骨)の動きと対になって動き、例えば肩関節が屈曲するとき、肩甲骨は挙上か上方回旋をします。
肩関節を動かす筋肉
肩関節動かす大きな筋肉には三角筋・烏口腕筋・棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋・大円筋・広背筋・大胸筋などがあります。
同じ筋肉でも前部や後部により肩関節の動きに関与する働きが違うのも肩関節の特徴です。
肩甲帯を動かす筋肉も肩関節の屈曲に関与しますが、ここでは混乱を避けるために肩甲帯を動かす筋肉と肩関節を動かす筋肉を分けて解説しています。
肩関節の動き・屈曲と伸展
上腕が前方に向かうのが肩関節の屈曲で、後方に向かうのが肩関節の伸展です。
肩関節の屈曲の動きと筋肉
肩関節の屈曲の動きとは上腕骨が前方に向かう動きで、肩甲帯(肩甲骨)は拳上・上方回旋します。
肩関節の屈曲の限界
肩関節は90~100°の屈曲の可動域を持っています。
肩関節を屈曲させる筋肉
肩関節を屈曲させる大きな筋肉には三角筋(前部)・烏口腕筋・大胸筋(上部)などがあります。
肩関節を屈曲させる筋肉
肩関節の伸展の動きと筋肉
上腕骨が後方に向かうのが肩関節の伸展で、肩甲帯(肩甲骨)は下制か下方回旋をします。
肩関節の伸展の限界
肩関節は一般的に40~60°の伸展が可能です。
肩関節を伸展させる筋肉
肩関節を伸展させる大きな筋肉には三角筋(後部)・小円筋・肩甲下筋・大円筋・広背筋・大胸筋(下部)などがあります。
肩関節を伸展させる筋肉
肩関節の動き・外転と内転
上腕が体幹より外側、上方に向かうのが肩関節の外転の動きで、上腕が体幹に向かって近づくのが肩関節の内転です。
肩関節の外転の動きと筋肉
上腕が体幹より上方、外側に向かって離れる動きが肩関節の外転の動きです。
肩関節の外転に伴い、肩甲帯(肩甲骨)は上方回旋します。
肩関節の外転の限界
一般的に肩関節は90~95°の外転が可能です。
肩関節を外転させる筋肉
三角筋(前部・中部・後部)・大胸筋(上部)などが肩関節を外転させる大きな筋肉で、棘上筋なども肩関節の外転の補助をします。
肩関節を外転させる筋肉
肩関節の内転の動きと筋肉
肩関節の内転とは上腕が体幹の方へ近づいていく動きで、肩関節の内転に伴い、肩甲帯(肩甲骨)は下方回旋します。
肩関節の内転の限界
一般的に肩関節は体幹の前面で75°の内転が可能です。
肩関節を内転させる筋肉
烏口腕筋、肩甲下筋、大円筋、広背筋、大胸筋(下部)などが肩関節を内転させる大きな筋肉です。
肩関節を内転させる筋肉
肩関節の動き・外旋と内旋
上腕がその長軸を中心に外側に向かう動きが肩関節の外旋で、内側に向かう動きが内旋です。
肩関節の外旋の動きと筋肉
上腕の長軸を中心に外側に向かう動きが肩関節の外旋で、肩甲帯(肩甲骨)は内転の動きをします。
肩関節の外旋の限界
一般的に肩関節は70~90°の外旋と内旋が可能です。
肩関節を外旋させる筋肉
肩関節を外旋させる大きな筋肉には、三角筋(後部)、棘下筋、小円筋などがあります。
肩関節を外旋させる筋肉
肩関節の内旋の動きと筋肉
上腕がこの長軸を中心に内側に向かう動きが肩関節の内旋の動きで、肩関節が内旋するとき、肩甲帯(肩甲骨)は外転をします。
肩関節の内旋の限界
一般的に肩関節は70~90°の外旋と内旋が可能です。
肩関節を内旋させる筋肉
肩関節を内旋させる大きな筋肉には三角筋(前部)・肩甲下筋・大円筋・広背筋・大胸筋(下部)などがあります。
肩関節を内旋させる筋肉
肩関節の動き・水平屈曲と水平伸展
上腕が水平な位置において胸の方に近づくのが肩関節の水平屈曲で胸から離れていくのが水平伸展の動きです。
肩関節の水平屈曲の動きと筋肉
上腕が水平な位置で胸の方に近づく動きが肩関節の水平屈曲です。
肩関節が水平屈曲するとき、肩甲帯(肩甲骨)は外転をします。
肩関節の水平屈曲の限界
肩関節は一般的に約135°の水平屈曲が可能です。
肩関節を水平屈曲させる筋肉
肩関節を水平屈曲させる大きな筋肉には三角筋(前部)・烏口腕筋・大胸筋などがあります。
肩関節を水平屈曲させる筋肉
肩関節の水平伸展の動きと筋肉
上腕が水平な位置において胸から離れていく動きが肩関節の水平伸展です。
肩関節の水平伸展に伴い、肩甲帯(肩甲骨)は内転の動きをします。
肩関節の水平伸展の限界
一般的に肩関節は45°の水平伸展が可能です。
肩関節を水平伸展させる筋肉
肩関節を外旋させる大きな筋肉には、三角筋(後部)、棘下筋、小円筋、広背筋などがあります。
肩関節を水平伸展させる筋肉
肩関節の動きと対になる肩甲帯の動き・まとめ
肩関節の動き : 肩甲帯(肩甲骨)の動き
- 屈曲 : 拳上/上方回旋
- 伸展 : 下制/下方回旋
- 外転 : 上方回旋
- 内転 : 下方回旋
- 外旋 : 内転
- 内旋 : 外転
- 水平屈曲 : 外転
- 水平伸展 : 内転
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