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頚板状筋(けいばんじょうきん)

頚板状筋

頚板状筋は頸部の後方の深層にある筋肉で、頚椎の伸展(首を後ろに反らす動き)の主働筋で頚椎の回旋と側屈にも働きます。

頚板状筋は特に頸椎の伸展と回旋が同時に行われるときには強く働きます。

頚板状筋は頭板状筋とともに頸椎・首を動かすだけではなく、首を安定させる、首を正しい姿勢に保持する役割も持ちます。

目次

頚板状筋

頚板状筋

頚板状筋の走行と働き

頚板状筋は第1~第3頸椎の横突起から第3~第6胸椎の棘突起に付着する筋肉で、頚椎と胸椎の後方側部を走行します。

頚板状筋は首の動き、頚椎の動きに働き、頚椎の伸展・回旋・側屈に働きます。

頚板状筋の起始部
第3~第6胸椎の棘突起

頚板状筋の停止部
第1~第3頸椎の横突起

頚板状筋の働き

  • 両側:頭部と頸部の伸展
  • 右側:頸椎の右回旋と右側屈
  • 左側:頸椎の左回旋と左側屈


頚板状筋の起始部

頚板状筋の起始部

頚板状筋の付着する棘突起(画像は腰椎)

頚板状筋の起始部は第3~第6胸椎の棘突起です。

胸椎は上から第1胸椎~第12胸椎まであり、略してT1~T12と記します。

脊柱の動きは主に頸椎と腰椎で起こり、それに比べて胸椎では大きな動きは起こりません。

頚板状筋の停止部

頚板状筋の停止部

頚板状筋の停止部、頚椎

頚板状筋の停止部は第1~第3頸椎の横突起です。

頚椎は第12胸椎の上に第7頸椎~第1頚椎があり、頚椎は略してC1~C7と記します。

第一頚椎は環椎、第二頚椎は軸椎と呼ばれ、車軸関節である環軸関節を形成し、頚板状筋が生じさせる首の動きは頭蓋骨と第一頸椎の関節、第一頸椎と第二頚椎の環軸関節、また頚椎全体の複合的な動きで生じます。

神経支配

第4~第8頚神経後枝(C4~8)

頚板状筋の触診

頚板状筋は頸部後方を覆う僧帽筋の深層にあり触診はできません。

板状筋は2つある

板状筋

2つの板状筋

板状筋と名がつく筋肉には頚板状筋の他に頭板状筋があり、この2つの筋肉は同じ働きを持ちます。

2つの板状筋


頚板状筋の働き

頚板状筋は頸椎の動き(首の動き)に力強く働く筋肉です。

頚板状筋は頸椎の後方左右にある一対の2本の筋肉なので、頚板状筋の両側が収縮すれば首は後ろに倒れ(頸椎の伸展)、片側だけが収縮すれば頸椎は回旋、側屈をします。

両側

頚板状筋の働き

頚板状筋の働き、頚椎の伸展

頚板状筋の働き、頚椎の伸展とは首を後ろに反らす動きです。

頚椎は一般的に前後に45ずつ伸展と屈曲が可能で、頚椎には小さな筋肉が沢山あり脊柱の動きに関与していますが、大きな筋肉では頭板状筋、頚板状筋が頚椎を伸展させる筋肉です。

右側・左側

頚板状筋の右側が収縮すれば、首は右に回旋、右に側屈し、左側が収縮すれば首は左に回旋、左に側屈します。

頭板状筋の拮抗筋

頚板状筋の働き、頚椎の伸展に対する動きは頸椎の屈曲で胸鎖乳突筋が頸椎を屈曲させる主働筋で、頚椎の回旋と側屈にも関与する筋肉です。

機能強化

頚板状筋は僧帽筋の深層にあり、直接にはマッサージや指圧などの施術を行いにくい筋肉で、ストレッチングなどの運動療法が望ましい筋肉です。

筋力強化

頚板状筋は首の伸展に負荷をかけるエクササイズで鍛えることができます。

頭の後ろで手を組み、まず頭を前に倒し、その状態から抵抗に逆らいながら首を反らしていくエクササイズが効果的です。

このやり方は自分の手で抵抗をかけてもいいし、タオルや他者に抵抗をかけても上手くいきます。

ストレッチング

頚板状筋その働きと逆の動き、頚椎の屈曲でストレッチングが可能です。

頸椎を限界まで屈曲することで両側の頚板状筋がストレッチングでき、首を左回旋・左側屈して屈曲すれば右側の頭板状筋がストレッチでき、反対の動きにより左側の頚板状筋がストレッチングが可能です。

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