下腿の骨、脛骨(けいこつ)は日本人にはなじみのある骨。
それは脛骨の前面は皮膚のすぐ下にあり、ぶつけると痛い「弁慶の泣き所」と言われているからです。
脛骨
下肢の骨格は大腿骨が一本あり、その下に脛骨と腓骨があります。
膝から下、脛骨と腓骨の部分は下腿(かたい)と呼ばれます。
大腿骨、腓骨、脛骨は長管骨(長骨)に分類されます。
脛骨の各部
脛骨の上部と下部は大きくなっていて、下部の出っ張りは内果です。
脛骨の内果はうちくるぶしの部分で、外側の腓骨が作るくるぶし(外果)より上に位置します。
脛骨が作る関節
脛骨と大腿骨の関節は膝関節で、脛骨と距骨が作る関節が距腿関節(足関節)です。
これらの関節はともに蝶番関節に分類され、動きは単純ですが大きな可動域を持つ関節です。
また脛骨と腓骨は靭帯結合の半関節を形成していますが、脛骨と腓骨の間にはわずかな動きしかありません。
脛骨に付着する筋肉
脛骨には大腿四頭筋やハムストリングスなどの股関節や膝関節を動かす筋肉が骨盤を起始部として脛骨に停止し、脛骨を起始部として遠位に停止する足関節や足の指を動かす筋肉が付着します。
脛骨に停止する筋肉
脛骨には大腿四頭筋やハムストリングスが停止しますが、大腿四頭筋は大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋、4つの筋肉の総称で、ハムストリングスは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋、3つの筋肉の総称で、股関節と膝関節の動きに作用する筋肉です。
また、半腱様筋・薄筋・縫工筋は脛骨の鵞足部と呼ばれる部位に付着し、鵞足部はこれらの筋肉の柔軟性不足などのために炎症(鵞足炎)を起こしやすい部位です。
脛骨に停止する筋肉
脛骨を起始部とする筋肉
脛骨には足関節と足の指を動かす筋肉が起始部を持ち、脛骨筋と名称がつく筋肉も2つあります。
脛骨の起始部を持つ筋肉
脛骨は弁慶の泣き所とも呼ばれる
自分で脛骨の前面ははっきり触診できます。
皮膚のすぐ下に脛骨の前面があり、筋肉などで守られていない部分です。
ですので、ここをぶつけると骨に直接、響いて痛い。
豪傑の弁慶(武蔵丸弁慶)でも泣くほど痛いところ、ということで脛骨の前面は「弁慶の泣き所」と言われているんですね。
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