主な肩甲骨の動きは6つあり、外転と内転、挙上と下制、上方回旋と下方回旋があります。
肩甲骨の動きには主に5つの筋肉が関与しています。
肩関節を動かす筋肉も肩甲骨に付着しますが、ここでは混乱を避けるため肩甲骨の動きと筋肉を理解しやすいように、肩関節を動かす筋肉と肩甲骨(肩甲帯)を動かす筋肉を分けて解説しています。
肩甲骨の動き
肩甲骨の動きは相反する2つの動きをセットで覚えると把握しやすいでしょう。
肩甲骨の外転と内転、挙上と下制、上方回旋と下方回旋、この3セットの動きと筋肉を解説しておきます。
肩甲骨は鎖骨と肩甲帯を形成し、肩甲骨の動きは肩甲帯の動きとして捉えると理解しやすいと思います。
肩甲骨の動き
肩甲骨を動かす関節
肩甲骨(肩甲帯)の動きには胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲胸郭関節(滑動部)が関与します。
肩甲骨の動きの軸(中心)は胸鎖関節です。骨格による軸骨格(体幹の骨格)への連絡路は唯一ここだけで胸鎖関節では動きが大きく、肩鎖関節では動きが少ないのも特徴です。
肩甲骨を動かす筋肉
肩甲骨を動かす筋肉
ここでは肩甲骨を動かす主に5つの筋肉を解説しています。
鎖骨下筋も肩甲骨の下制と安定に関わる筋肉ですが、肩甲骨のどの動きにとっても主働筋ではありません。
肩関節と肩甲帯を別々のものとして理解しておくと肩甲骨の動きは把握しやすく、肩関節を動かす筋肉も肩甲骨に付着しますが肩甲骨を動かす主働筋ではありません。
また上記の一つの筋肉がいくつかの肩甲骨の動きに関与するのも肩甲帯の動きの特徴です。
肩甲骨の動き・外転と内転
肩甲骨が外側に向かう動きが肩甲骨の外転、内側に向かう動きが肩甲骨の内転です。
肩甲骨の外転の動きと筋肉
肩甲骨の外転の動きとは肩甲骨が脊柱から外側へ離れる動きです。
肩甲骨の外転には前鋸筋や小胸筋が関与します。
肩甲骨を外転させる筋肉
肩甲骨の内転の動きと筋肉
肩甲骨が脊柱に近づいていく動きが肩甲骨の内転です。
肩甲骨の内転には菱形筋・僧帽筋・肩甲挙筋が関与します。
肩甲骨を内転させる筋肉
肩甲骨の動き・拳上と下制
肩甲骨を上げる動きが肩甲骨の挙上で、下に向かう動きが肩甲骨の下制の動きです。
肩甲骨の挙上の動きと筋肉
肩をすくめる動き、肩甲骨を引き上げる動きが肩甲骨の拳上の動きです。
肩甲骨の挙上には菱形筋・僧帽筋・肩甲挙筋が関与します。
肩甲骨を拳上させる筋肉
肩甲骨の下制の動きと筋肉
肩を落とす動き、肩を引き下げる動きが肩甲骨の下制の動きで、肩甲骨が下方に動きます。
肩甲骨の下制には僧帽筋・小胸筋・鎖骨下筋が関与します。
肩甲骨を下制させる筋肉
肩甲骨の動き・上方回旋と下方回旋
肩甲骨の上方回旋は肩甲骨が上方と外側に向かい、下方回旋では下方と内側に同時に動きます。
肩甲骨の上方回旋
肩甲骨の上方回旋では、肩甲骨の下角が上方と外側に向かって同時に動き、上腕骨が接する肩甲窩も上方に動きます。
肩甲骨の上方回旋には僧帽筋・前鋸筋が関与します。
肩甲骨を上方回旋させる筋肉
肩甲骨の下方回旋
肩甲骨の下方回旋では、肩甲骨の下角が下方と内側に向かって同時に動きます。
肩甲骨の下方回旋には菱形筋・小胸筋が関与します。
肩甲骨を下方回旋させる筋肉
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