股関節は大腿骨が寛骨臼にハマっている臼関節なので、股関節は寛骨臼大腿関節とも呼ばれます。
股関節は肩関節の次に可動性のある関節ですが、肩関節と違いその構造上、強く安定性が保たれている関節で、亜脱臼や脱臼は股関節では起こりにくくなっています。
股関節の動きは骨盤と腰椎の動きとも連動しますが、ここでは股関節だけの動きを解説します。
股関節の6つの動き
主な股関節の動きに6つあります。
股関節は骨盤(寛骨)と大腿骨の関節なので、大腿骨の動きで股関節の動きを把握すると理解がしやすいです。
大腿骨を前に動かすのが股関節の屈曲、後ろに動かすのが伸展、外側に動かすのが外転、内側に動かすのが内転、そして外側に回すのが外旋、内側に回すのが内旋です。
股関節の動きと筋肉は位置的に分類すると把握しやすい
強く大きい筋肉が股関節を動かしますが、筋肉の位置によりその動きは推定できます。
体の前方にある筋肉は股関節の屈曲の動き、後方は股関節の伸展の動き、外側は股関節の外転の動き、内側は股関節の内転の動きに関与すると理解すれば、股関節の動きと筋肉は把握しやすいです。
股関節の動きと筋肉
股関節の対比する動き別に、動きと筋肉を解説しておきます。
股関節の屈曲と伸展の動きと筋肉
股関節の屈曲の動きと筋肉
股関節の屈曲の動きとは、大腿骨が骨盤に向かってまっすぐに前方に向かう動きです。
体の前方にある筋肉が主に股関節を屈曲させる筋肉で、お腹の中の腸腰筋(大腰筋)や大腿前方の恥骨筋や縫工筋、大腿直筋が股関節の屈曲に関与します。
股関節を屈曲させる筋肉
股関節の屈曲の可動域
股関節の屈曲の可動域は一般的に0~130°です。
股関節の伸展の動きと筋肉
股関節の伸展の動きとは、大腿骨がまっすぐに後方に骨盤から離れていく動きです。
体の後方に位置する筋肉が主に股関節を伸展させる筋肉で、太ももの後面のハムストリングスや大殿筋、深層外旋六筋(梨状筋など)が股関節の伸展に関与します。
(ハムストリングスとは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋、3つの筋肉の総称です)
股関節を伸展させる筋肉
股関節の伸展の可動域
股関節の伸展の可動域は一般的に0~30°です。
恥骨大腿靭帯は股関節の前方内側に位置して、股関節の過剰な伸展と外転を防いでいます。
股関節の外転と内転の動きと筋肉
股関節の外転の動きと筋肉
股関節の外転の動きとは、大腿骨が正中線から外側へまっすぐに離れていく動きです。
体の外側に位置する筋肉が主に股関節を外転させる筋肉で、お尻の中臀筋や小殿筋、太ももの側面の大腿筋膜張筋などが股関節の外転に関与します。
股関節を外転させる筋肉
股関節の外転の可動域
股関節の外転の可動域は一般的に0~45°です。
恥骨大腿靭帯は股関節の前方内側に位置して、股関節の過剰な伸展と外転を防いでいます。
股関節の内転の動きと筋肉
股関節の内転の動きとは、外転位にある大腿骨が正中線へ向かう動きです。
大腿内側の内転筋群や薄筋など、体の内側に位置する筋肉が主に股関節を内転に関与します。
股関節を内転させる筋肉
股関節の内転の可動域
股関節の内転の可動域は一般的に0~30°で、股関節後方の三角状の坐骨大腿靭帯が内転を制限します。
股関節の外旋と内旋の動きと筋肉
股関節の外旋の動きと筋肉
大腿骨がその長軸を回転の軸として外側に向かう動きが股関節の外旋です。
お腹の中にある腸腰筋、お尻の中にある梨状筋などの深層外旋六筋、お尻の大きな筋肉である大臀筋、ハムストリングスを構成する大腿二頭筋などが股関節の外旋に関与します。
また中臀筋は股関節の外転に伴う外旋、大内転筋と短内転筋は股関節の内転に伴う股関節の外旋に関与します。
股関節を外旋させる筋肉
股関節の外旋の可動域
股関節の外旋の可動域は一般的には0~50°です。
股関節の内旋の動きと筋肉
股関節の内旋と内転は混同されやすい動きですが、大腿骨がその長軸を回転の軸として内側に向かう動きが股関節の内旋で、大腿骨が外転位から正中線に向かう動きが股関節の内転です。
中臀筋の前部の筋繊維、ハムストリングスを構成する半腱様筋と半膜様筋、大腿内側の恥骨筋と薄筋などが股関節の内旋に関与します。
また小臀筋は股関節の外転に伴う股関節の内旋に関与します。
股関節を内旋させる筋肉
股関節の内旋の可動域
股関節の内旋の可動域は一般的には0~45°です。
股関節のセルフケア
股関節を柔らかくする方法や太ももを柔らかくする方法にて股関節のストレッチや太もものストレッチを解説しています。
股関節や太ももの柔軟性を養いたい方はご参考ください。
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