首の動きと首を動かす筋肉の解説です。
首の動きは実際には頭蓋骨と第一頸椎の関節、第一頸椎と第二頚椎の環軸関節、また頚椎全体の複合的な動きで生じますが、ここでは頚椎の動きを首の動きとして解説しています。
首の動きは4つある
主な首の動きには4つあります。
- 首を前に曲げる動き(頸椎の屈曲)
- 首を反らす動き(頸椎の伸展)
- 首の左右の側屈の動き(頸椎の側屈)
- 首を左右に回す動き(頸椎の回旋)
また側屈した位置から元に戻る動きを復元(ふくげん)と言います。
首の動きとその働きをする大きな筋肉をまとめておきますが、頚椎を含む脊柱には小さな筋肉が沢山あり脊柱の動きに関与しているので、ここでは大きな筋肉だけを解説しています。
首を曲げる動き
前方に首を曲げる動きが頸椎の屈曲で、頚椎全体の動き、第一頚椎と頭蓋骨との関節で屈曲が起こります。
首を曲げる限界
頚椎は一般的に45°までの屈曲の可動域があります。
首を曲げる筋肉
左右の首筋で自分でも触れる胸鎖乳突筋が首を曲げる大きな筋肉です。
胸鎖乳突筋の左右両側が収縮した時に頚椎を屈曲させます。(左右どちらかの場合は、側屈と回旋に関与します)
首を曲げる筋肉
首を反らす動き
首を反らす動きが頸椎の伸展で、頚椎全体の動き、第一頚椎と頭蓋骨との関節で屈曲が起こります。
首を反らす限界
頚椎は一般的に後に45°伸展が可能です。
首を反らす筋肉
大きな筋肉では板状筋(頭板状筋、頚板状筋)、脊柱起立筋(上部)が頚椎を伸展させる筋肉です。(脊柱起立筋とは腸肋筋・最長筋・棘筋の総称で各筋肉は位置により3つに分類されます)
首を反らす筋肉
首の側屈の動き
首を傾ける動きは頸椎の側屈です。
首を左に傾ける動きを頸椎の左側屈といい、右側に傾けるのは頸椎の左側屈です。
首の側屈の限界
頚椎は一般的に左右に45°ずつ側屈が可能です。
首を側屈させる筋肉
大きな筋肉では脊柱起立筋、胸鎖乳突筋、板状筋(頭板状筋、頚板状筋)が頚椎を側屈させる筋肉で、脊柱起立筋の上部も頸椎の側屈に関与します。
頚椎を側屈させる筋肉
首を回す動き
首を回す動きが頸椎の回旋で、首を左に回す動きが頸椎の左回旋、右の回す動きが頸椎の右回旋です。
首を回す限界
一般的に頚椎は左右に60°ずつの回旋が可能です。
頚椎の回旋に関わる関節
頚椎全体の動きとしても回旋の動きはありますが、第一頸椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)が作る環軸関節が頸椎の回旋に深く関与します。
環軸関節は車軸関節に分類され、軸椎に環椎すっぽりハマって軸椎を中心として環軸が回旋します。このような構造だからこそ首が自由に動けるのですね。
首を回す筋肉
大きな筋肉では胸鎖乳突筋、板状筋(頭板状筋、頚板状筋)が頚椎を回旋させる筋肉です。
頚椎を回旋させる筋肉
首の動きの限界・まとめ
個人差はありますが一般的な首の動きの限界、頚椎の動きの可動域は以下の通りです。
- 45°までの屈曲
- 45°までの伸展
- 左右45°ずつ側屈
- 左右60°ずつの回旋
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