筋肉、骨格の機能解剖とストレッチやセルフマッサージのコツ

筋肉・骨格ガイド

内腹斜筋

体幹と脊柱の筋肉と骨格

内腹斜筋(ないふくしゃきん)

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内腹斜筋は外腹斜筋の深層にある筋肉で、外腹斜筋とは反対に腰部を右に回旋するときには右の内腹斜筋が、左に回旋するときには左の内腹斜筋が収縮して力を出します。

このような体幹(腰部)の動きでは内腹斜筋と反対側の外腹斜筋は常に共同で働き、これに腹直筋の体幹を屈曲させる力が加わります。

4つの腹筋群


内腹斜筋

内腹斜筋

内腹斜筋の走行と働き

腹筋群の一つ、内腹斜筋は外腹斜筋の深層にあり、内腹斜筋の筋繊維は外腹斜筋と反対方向に走行しています。

下部の肋骨から骨盤側部に付着する片側の内腹斜筋が収縮すれば腰部は収縮する側に回旋、側屈をします。

内腹斜筋の起始部
鼠経靭帯の上方1/2、腸骨稜の前面2/3、腰筋膜

内腹斜筋の停止部
第8、第9、第10肋骨の肋軟骨と白線

内腹斜筋の働き

  • 両側:腰椎の屈曲
  • 右側:腰椎の右側屈、右回旋
  • 左側:腰椎の左側屈、左回旋
腹筋群の起始部と停止部:

筋肉の付着部は起始部と停止部に分けられ、一般的に体幹側もしくは動きの多い側の付着部を停止部としていますが、内腹斜筋のような腹筋群は体幹から体幹に付着する筋肉のなので解剖学の本によっては起始部と停止部が逆に書いてあるものもあります。

ここでは動きの多い骨格側を停止部としています。


内腹斜筋の起始部

内腹斜筋の起始部は鼠経靭帯の上方1/2、腸骨稜の前面2/3、腰筋膜です。

鼠経靭帯は下腹部と下肢を隔てる動きには関与しない靭帯で、この下を大腰筋腸腰筋)などが走行し、内腹斜筋などの腹筋群が付着部を持つ靭帯です。

腸骨稜は自分でも触れることができる骨盤(腸骨)の際の部分で、腸骨稜の広範囲に内腹斜筋は付着します。

内腹斜筋の停止部

内腹斜筋の停止部

内腹斜筋の停止部、胸郭を構成する肋骨と肋軟骨

内腹斜筋の停止部は第8、第9、第10肋骨の肋軟骨と白線です。

胸郭を構成する肋骨は12対、計24本の肋骨があり、内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋・腹横筋などの腹筋群が付着します。

神経支配

肋間神経(T8~12)、腸骨下腹神経(T12、L1)、腸骨鼠経神経(L1)

内腹斜筋の触診

内腹斜筋は外腹斜筋に覆われていますが、外腹斜筋がリラックスしたときに腹部外側で触診できます。

2つの腹斜筋

内腹斜筋と外腹斜筋

内腹斜筋と外腹斜筋

腹斜筋と名がつくものにはこの内腹斜筋と外腹斜筋があり、内腹斜筋と外腹斜筋は働きが似ているのですが、内腹斜筋は左に腰を回す時には左側が収縮し、反対に外腹斜筋は左に腰を回す時は右側が収縮します。

どちらの筋肉とも腰椎の側屈では側屈する側が収縮しますが、回旋の動きではその働きは逆側の筋肉によるものです。

腹筋群と体幹の動き

内腹斜筋を含む腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋)は腰を曲げる(腰椎の屈曲)筋肉で、腰を反らす動き(腰椎の伸展)は脊柱起立筋の働きです。

腹筋と背筋は体幹の裏表の筋肉で、腰部の力強い動きを引き出すにはこの2つの筋肉が十分に発達していなければなりませんし、自然な姿勢、脊柱の生理的湾曲を保つためにも重要です。

左右の偏りが生じやすい内腹斜筋

内腹斜筋などは腰部を左右に回旋・側屈させる筋肉なので偏りが生じやすい筋肉です。

ほとんどの人の腹筋は見た目にも左右の腹筋の割れ具合が違いますし、触ってみても左右どちらかが固いハズです。

腰を回旋させる動き(野球のバッティングやゴルフのスイング)、腰をねじる動きは誰でも左右でやりやすさ、力の入れやすい方向があり、あまりにも内腹斜筋などの左右の偏りが強いと左右の運動能力の違いや腰椎の変位を招き腰痛の原因ともなりえます。

内腹斜筋の働き

内腹斜筋は腰椎の動きに働きますが、両側の内腹斜筋が同時に働けば腰椎は屈曲し、片側の内腹斜筋だけが働けば腰椎は側屈、回旋します。

両側

内腹斜筋の働き

内腹斜筋の脊柱(腰椎)の屈曲の動き

左右同時の内腹斜筋の働きは腰椎の屈曲で、これに外腹斜筋と腹直筋の働きが加わります。

腰を曲げる動きが腰椎の屈曲で、腰椎の屈曲は胸部が大腿に近づいていく動きとも表せ、主に内腹斜筋を含む腹筋群が腰椎を屈曲させる筋肉で、腰椎の屈曲の可動域は一般的には80°です。(脊柱の動きは主に腰椎と頸椎で起こり、胸椎でも動きは生じますが、腰椎の動き頸椎の動きに比べれば非常に小さなものです。)

右側・左側

内腹斜筋の側屈と回旋

内腹斜筋の側屈と回旋

内腹斜筋が収縮する側に腰椎は回旋、側屈します。(これとは反対に外腹斜筋は収縮する側に側屈・反対側へ回旋します。)

右側:腰椎の右への側屈、右への回旋

左側:腰椎の左への側屈、左への回旋

一般的に腰椎の回旋の可動域は側屈は左右に35°ずつ、回旋は左右に45°ずつ可能です。


機能強化

内腹斜筋は姿勢や骨盤の状態にも影響し、体幹の安定性や力強い動きを引き出すのに欠かせない筋肉なので積極的なトレーニングが望ましい筋肉です。

筋力強化

腹直筋に力があり俗にいう腹筋運動(シットアップ・上体起こし)の動きで腰が痛くならないようならば、この運動に捻じりをつけることで内腹斜筋は鍛えることができます。

まず仰向けになり膝を曲げ頭の後ろで手を組み、反動をつけずに上体を起こしていくときに、左肘が右の膝にタッチするように腰を右にねじりながら、右肘が左膝にタッチするように腰を左に捻じりながらこの運動を行えば内腹斜筋が集中的に鍛えられます。

この運動では腰を左に捻じった時に左の内腹斜筋と右の外腹斜筋が、右にねじった時に右の内腹斜筋と左の外腹斜筋が非常に強く収縮します。

ストレッチング

内腹斜筋は左右別々のストレッチが効果的です。

右側の内腹斜筋をストレッチングするには大きく左に側屈して左の回旋し、そこからさらに進展することで集中的に内腹斜筋を伸ばすことができます。

これとは反対の動きで左側の内腹斜筋がストレッチング可能です。

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