脊柱の土台である仙骨はもともとは5つの椎骨で、成長とともに融合して一つの仙骨となります。
仙骨は身体の中心としても大事なところでヨガや仙道などでは、特に仙骨を重要視する見方もあります。
仙骨
仙骨は脊柱の土台の骨で、仙骨の上に第五腰椎、仙骨の下に尾てい骨があり、仙骨と尾てい骨、左右の寛骨を合わせて骨盤と呼びます。
骨盤を構成する骨:仙骨
- 日本語:仙骨
- 英語:sacrum
- ラテン語:os sacrum
sacrumは「聖なる」という意味で、英語では仙骨をholly boneと呼ぶこともあるようです。
後述するようにヨガや仙道などの東洋的な文化でも仙骨を重要視しますが、西洋的にも仙骨は特別な骨である意味合いがあるようです。
仙骨は不規則形骨に分類されます。
仙骨はもともとは5つの椎骨
仙骨はも元々は5つの椎骨です。
椎骨とは背骨の一つ一つの骨のことを指しますが、仙骨はその5つの椎骨が成長とともに融合してできた骨です。
この骨格標本のモデルさんは女性ですが、骨盤の状態や仙骨の融合具合を見てみると結構お年を召されていたようですね。
仙骨を温めるといいらしい?
「仙骨を温めると体調がよくなるんですか?」とは最近よくきかれることですが、仙骨周辺は神経の束が数多く走行していますから、仙骨を温めると体調がよくなるのはあながち嘘ではありません。
東洋医学でも仙骨を温めるような手法はあります。
しかし、~の病気が治るというのは眉唾物です。
そもそも東洋医学的には病気を治す、という攻撃的な積極性はなく病気になる必要のない体内環境を作ることが優先されます。
仙骨が作る関節
仙骨は尾てい骨と仙尾関節(せんびかんせつ)、寛骨と仙腸関節(せんちょうかんせつ)、第五腰椎と腰仙関節を構成します。
仙骨と尾てい骨の関節
仙骨の下にある骨、尾てい骨はしっぽの名残の骨で、人体では通常3~5つの尾椎が融合した骨です。
人体では仙骨の下に小さくある可愛い骨ですが、しっぽの長い動物などは立派な大きく長い尾てい骨があります。
写真のように人間では尾てい骨は小さく細いので、転んでお尻をぶつけて尾てい骨骨折というのはよく起こりうることです。
仙骨と寛骨の関節
仙骨と寛骨の関節は仙腸関節(せんちょうかんせつ)です。
仙腸関節は大きな動きはありませんが、お互いの骨がずれるように動きます。
矯正的な整体などでは骨盤の歪み=仙腸関節の歪みとして仙腸関節を矯正したりします。
仙骨と腰椎の関節
仙骨の上の骨は第五腰椎で、仙骨と第五腰椎の関節が腰仙関節(ようせんかんせつ)です。
腰椎の椎間板ヘルニアはほとんどこの仙骨と第五腰椎の間、第五腰椎と第四腰椎の間に起こります。
背骨の構造上、とても重要な部分ですね。
仙骨に付着する筋肉
仙骨には股関節を外旋させる梨状筋、股関節を外旋・伸展させる大臀筋などが付着し、脊柱起立筋の一部は仙骨に付着しています。
仙骨に付着する筋肉:
(脊柱起立筋は腸肋筋(ちょうろくきん)・最長筋(さいちょうきん)・棘筋(きょくきん)の総称です。)
ヨガや仙道などでも重要視される仙骨
西洋でも仙骨は「聖なる骨」と言われていたようですが、密教的なヨガ(クンダリーニヨガ)などでは仙骨にエネルギーが眠っているとされ、このエネルギーを目覚めさせ背骨を上昇していくようにする修行法などもあります。
また仙道や道教などでも同じような修行法もあり、気功などでも仙骨を重要視する流派もあります。
仙骨が異文化でも重要視されているのは、やはり何かあるんでしょうか?
西洋では聖なる骨、神秘的な骨の意味合いですが、東洋的な文化ではエネルギーの生じる部分といった意味合いがあるようで、それを目覚めさせるための修行法まで確立されているんですね。
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