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頭板状筋(とうばんじょうきん)

頭板状筋

頭板状筋は頸部の後方に位置し、首を後ろに傾ける(頸椎の伸展)働きを持ち、特に頸椎の伸展と回旋が同時に行われるときには強く働きます。

頭板状筋は僧帽筋脊柱起立筋の上部とともに働きますが、首の動きだけではなく首を安定させる、首を正しい姿勢に保持する役割も持ちます。

目次

頭板状筋

頭板状筋

頭板状筋の走行と働き

頭板状筋は第7頸椎、第1胸椎~第3胸椎の棘突起、項靭帯の下半分から頭蓋骨の後頭骨と乳様突起に付着する筋肉で、両側の頭板状筋が収縮することにより首(頸椎)は後ろに倒れ(頸椎の伸展)、片側だけが収縮すれば首は回旋と側屈をします。

頭板状筋の起始部
項靭帯の下半分、第7頸椎の棘突起、第1~第3(4)胸椎の棘突起

頭板状筋の停止部
乳様突起と後頭骨

頭板状筋の働き

  • 両側:頭部と頸部の伸展
  • 右側:頸椎の右回旋と右側屈
  • 左側:頸椎の左回旋と左側屈


頭板状筋の起始部

頭板状筋の起始部は第7頸椎、第1胸椎~第3胸椎の棘突起、項靭帯の下半分です。

頚椎は7つあり、上から第1頸椎~第7頸椎で略してC1~C7と記し、頭板状筋が起始部を持つ第7頸椎(C7)は東洋医学では大椎(だいつい)とも呼ばれます。

胸椎は上から第1~第12胸椎まであり略してT1~T12と記します。

頭板状筋はC7とT1~T3の椎体の棘突起と呼ばれる背骨一つ一つの骨(椎体)の後方の骨の出っ張りに起始部を持ちます。

頭板状筋の起始部


頭板状筋の停止部

頭板状筋は頭蓋骨の骨、後頭骨と側頭骨の乳様突起という部位に停止します。

頭蓋骨は22個の骨が複雑に組み合わさり、小さい骨では鼻骨や涙骨などがあり、大きな骨では前頭骨、頭頂骨、側頭骨、蝶形骨、後頭骨、顎の骨(上顎骨・下顎骨)などがあります。

その中の側頭骨の一部が乳様突起で、頭板状筋や胸鎖乳突筋などの力強く首を動かす筋肉などが付着する部位です。

頭板状筋の停止部


神経支配

第4~第8頚神経後枝(C4~8)

頭板状筋の触診

頭板状筋は頸部後方の筋肉の深層にあり触診はできません。

板状筋は2つある

板状筋

2つの板状筋

板状筋と名がつくものには頭板状筋と頚板状筋があり、2つの筋肉の起始部と停止部は異なりますがその働きは同じものです。

2つの板状筋


頭板状筋の働き

頭板状筋は首の動き(頸椎の動き)に力強く働きます。

頭板状筋は頸椎の左右にある一対の2本の筋肉なので、頭板状筋の両側が収縮すれば頸椎は伸展し、片側だけが収縮すれば頸椎は回旋、側屈をします。

両側

頭板状筋の働き

頭板状筋の働き、頚椎の伸展

頭板状筋の働き、頚椎の伸展とは首を後ろに反らす動きで、頚椎は一般的に前後に45ずつ伸展と屈曲が可能です。

頚椎を含む脊柱には小さな筋肉が沢山あり脊柱の動きに関与していますが、大きな筋肉では頭板状筋、頚板状筋が頚椎を伸展させる筋肉です。

右側

頭板状筋の右側が収縮すれば、首は右に回旋、右に側屈します。

左側

頭板状筋の左側が収縮すれば、首は左に回旋、左に側屈します。

頭板状筋の拮抗筋

頭板状筋の働き、頚椎の伸展に対する動きは頸椎の屈曲で胸鎖乳突筋が頸椎を屈曲させる主働筋です。

板状筋(頭板状筋と頚板状筋)が頸椎の伸展、胸鎖乳突筋が頸椎の屈曲に関与し、この2つの筋肉はともに頸椎の回旋と側屈にも働きます。

機能強化

頭板状筋は身体の深層にある筋肉なので、直接にはマッサージや指圧などの施術を行えない筋肉なのでストレッチングなどの運動療法が望ましい筋肉です。

筋力強化

頭板状筋を鍛えるには頸椎の伸展に負荷をかければいいので、頭の後ろで手を組みまず頭を前に倒し(頸椎の屈曲)、その状態から抵抗に逆らいながら頚椎を伸展させていくエクササイズが効果的です。

このやり方では自分で抵抗をかけてもいいし、タオルや他者に抵抗をかけても上手くいきます。

ストレッチング

頭板状筋は頸椎を限界まで屈曲することでストレッチングが可能です。

首を右回旋・右側屈して屈曲すれば左側の頭板状筋がストレッチでき、左方向の反対の動きにより右側の頭板状筋がストレッチできます。

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