坐骨ってどこの解説ですが、坐骨周辺は坐骨神経痛など問題の多い部位でもあります。
坐骨について理解が深まるよう、骨格標本にて坐骨や坐骨に付着する筋肉などを解説したいと思います。
坐骨
坐骨は不規則形骨に分類され、人体には左右に二つの坐骨があります。
骨盤の骨:坐骨
- 日本語:坐骨
- 英語:Sciatic
- ラテン語:Os ischii, Ischium
坐骨ってどこ?
坐骨と恥骨、腸骨はもともとは軟骨結合している別々の骨で、成長し成人では融合して一つの寛骨になり、その寛骨と仙骨・尾骨(尾てい骨)を骨盤と呼びます。
坐骨ってどこからどこまで?
坐骨と恥骨、腸骨は成人では融合しているので、見た目でどこからどこまでが坐骨なのかは曖昧なのですが、どこからどこまでが坐骨なのかというと、股関節をつくるくぼみを寛骨臼と言い、そこから後方2/5が坐骨とされています。
解剖学では寛骨の寛骨臼から3つの部分に分けられています。
坐骨の触診
坐骨はほとんどの人はお尻の下で触診できますが、お肉が豊かな人は触診できない場合もあります。
痩せている方は固い椅子に座ると坐骨が当たって痛いこともあります。
坐骨の各部位
坐骨の後方の出っ張りが坐骨結節(ざこつけっせつ)で痩せている方は自分でも触診できる部分です。
また、恥骨結合と左右の坐骨結節、尾てい骨の菱形部は会陰と呼ばれ、分娩時に会陰切開なども施される部位です。
坐骨が作る閉鎖孔
坐骨と恥骨が作る環状の穴が閉鎖孔(へいさこう)です。
ここには閉鎖孔を通る閉鎖神経や閉鎖筋などがあり、梨状筋などの筋肉の緊張などが坐骨神経痛のような神経痛を引き起こすこともあります。
また閉鎖孔ヘルニアというものはこの閉鎖孔から内臓が飛び出してしまう(ヘルニアとは飛び出すがその意です)症状です。
坐骨に付着する筋肉
坐骨には股関節と膝を動かす筋肉が付着しています。
太ももの筋肉であるハムストリングスは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋、3つの筋肉の総称ですが、この3つの筋肉とも坐骨に付着し、股関節の伸展と膝関節の伸展に力強く作用します。
坐骨に付着する股関節を動かす筋肉
坐骨にはハムストリングスが付着して股関節を伸展させます。
また大内転筋も坐骨に付着し、股関節を内転させます。
閉鎖孔近くの坐骨には深層外旋六筋と呼ばれる股関節を外旋させる筋肉が付着しています。
坐骨に付着する股関節を伸展させる筋肉
坐骨に付着する股関節を内転させる筋肉
坐骨に付着する股関節を外旋させる筋肉
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坐骨に付着する膝を伸展させる筋肉
膝を曲げるメインの筋肉は太ももの裏のハムストリングスで、股関節を伸展させる働きもあります。
坐骨に付着する膝を曲げる筋肉
コリやすい坐骨周辺のスジ
坐骨に付着する筋肉はこりやすいスジです。
歩行には必ずハムストリングスが使われますし、椅子に座って仕事をする方は坐骨周辺のスジが圧迫されて太もも裏から坐骨にかけて常にコっている。
膝を伸ばし前屈して手が床や足先に届かないような方は明らかに坐骨に付着するハムストリングスの柔軟性不足です。太もものストレッチなどで柔軟性を養いましょう。
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